スポーツ漫画において、スポーツシーンは主役ですからね。
ただ、ボウリングシーンは難しんだな、これが。そこで…
ボウリングシーン難易度高!
想像の5倍は難しい。というか描けるかどうかわからない。
ほぼ水平で真横からの投球シーンならなんとか描けるが、
振り下ろしているときや、振りかぶっているときのポーズを煽りや俯瞰で破綻のない絵を描くのは大変。
しかし、「絵による身体表現はスポーツ漫画のキモ」だからどうやってもこの課題をクリアーしなければならない。
閃き!
そうなんです。漫画制作ソフトのスタンダードCLIP STUDIO PAINT(a.k.aクリスタ)には3Dモデルを使った機能があるんです。去年までパソコンのスペックが低すぎて固まるから使ってなかったけど、新調してパワーアップしたパソコンなら3D処理に耐えられるハズ。早速やってみよう。
クリスタの3D
初めて3Dポーズ使ってみたけど、まぁ大変。使いやすいのか使いづらいのかも分からない。
とりあえず、思った通りいかないくてイラついた。やはりツールが手になじむまでやり込むのが肝心。
重要な関節は別個でマニュピレーターが出て操作できる。足首とか手首、指も!
最高にイケてるのが、関節のポイントで右クリックすると固定できる。このポーズモデルはパーツを動かすと連動するから素晴らしいんだけど、固定のオン・オフができることで格段に操作しやすくなってると思う。それでもなかなか思った通りにはいかないよ。そこは慣れかも。
こんなポーズの構図は頭の中だけで構成するの骨折れますよ。
これに効果線ビシビシ走らせて「うおおおおおおお」なんてセリフ入れればクライマックスのコマが目に浮かんできます!
いいでしょ?さーらーに、マンガ用にパースをキツめに効かせることもできる。同じポーズ、同じ角度のモデルでパースの数値を変えたものがコチラ。
いいですよね。スポーツ漫画と極端なパースは相性いいですからね。
とにかくいっぱい触って感覚を掴まねば!
今ボウリング漫画描いてるんだけど、ポーズが難しくてクリスタの3D試してる。まずは操作に慣れなきゃ。ポーズ素材が出来れば色んなカメラ位置で複雑な構図も手助けしてくれるハズ。 #クリスタ #CLIPSTUDIOPAINT pic.twitter.com/6vKoTY8WC0
— イズミ ケイタ/IZUMI KEITA (@keita_kitsune) April 8, 2018
モデルを使ってボウリングシーンを描いてみよう
一応ポーズが完成した。3Dポーズからのペン入れの試しをしてみよう。
でた。典型的なペン入れで下手になるパターン。耳の下の輪郭線が一本外に行っただけで顔がやたらデカくなった。くそ!
ボウリングのポーズでシャツをパンツにインして無い絵難しい。圧縮されてるからミスると胴が短く見えてしまうからね。
絵柄はずっと悩み中、また別の記事で検討しよう。
アメコミアーティストから学ぶ下絵の描き方
ポーズで既にアタリが取れてるから、ポーズと違う色(オレンジ)で人体に沿って洋服を描いた。
このやり方は、アメコミアーティストがインタビューで語っていた。明治の天才浮世絵師月岡芳年の下絵の描き方から学んだと。
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- 二色使って人体・服とで色を分けて描く
- 例えば人体を水色で描いて、その上にオレンジとかで服を描く
- ちゃんと人体の構造に沿って服を着せるのがポイント
原宿のアメコミ屋で立ち読みしてて、アメコミアーティストから月岡芳年の下絵の描き方を教わるってね。立ち読みしててこのくだりを読んだとき興奮した。
やっぱり、偉大なアーティストはアンテナ張り巡らせて色んな所から貪欲に学んでるんだ!ってね。
当時、月岡芳年は知ってたし画集も持ってるくらいし好きなのに、アメコミアーティストから月岡芳年の下絵の描き方をマンガへ応用することを教わった。
いや、下絵の描き方よりも学ぶ姿勢を学んだんだ。
だめだ…全然思い出せない。この2冊のどっちかだったと思うけど全く違う可能性もある。
まとめと予告
率直な感想はかなり使える!です。
モデルをそのまま使用するわけではないから、そこまで人体解剖学の正確さを求めていない。
ザっとアタリが取れる、構図の確認ができる程度でも十分だからクリスタの3Dは合格。どころかこちらの要求のはるか先に達している。人物だけでなくもっとモデルを用意して大作SFマンガもやりたい気持ちになった。
道具は使ってこそ。仕上がりがよければそれでよし!
最終的な成果物がよければOKなのだ
昔オートクチュールの帽子を作っていた時に、帽子の飾りつけに手間取っていた。ミシンも入らないし、というか私の技術じゃ無理!みたいな感じで相談したら「そこは瞬間接着剤でOK!」って言われた。たしかにプレタポルテ(市販品)じゃなくてファッションショーで一回使うだけだからそれでいいかも。
ファッションショーのように遠くからゴージャスな帽子の飾りつけの根本なんか見えるわけない。そう、このケースでは瞬間接着剤が大正解。
私は目からウロコでした。仕上がりがOKなら途中は問題ない、ましてや過程で使う道具なんてなんでもいい。ゴールから逆算して使える道具は何でも使うんだ。
帽子業界で知らない人はいないっていう人だったからなおさら印象に残ってる。私があーでもない、こーでもないなんて半日悩んでたのがものの1分ですからね。
次回予告
まだまだ課題が山積み。それでも少しづつ進んでいる。go-go。
次も引き続き3Dソフト。面白い機能があってその紹介です。多分採用する。
- 3Dモデルでポーズは使える!
- ポーズをストック出来る。何種類も作れ
- 月岡芳年の下絵の描き方をアメコミアーティストから学ぶ
- 使えるものは何でも使え